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両親が離婚したのは三年前の三月の終わり頃だった。
理由は親父の浮気。
前々から不仲だった二人だけに
こういう結末になるんじゃないだろうかとなんとなくわかってた部分もあった。
そして俺と妹はお袋に引き取られた。
女手一つで育てるのは大変だろうけど
親父からふんだくった慰謝料もあって経済的には余裕もあったと思う。
俺の親友が亡くなったのは二年前の四月の初めだった。
学校からの帰り道、俺とその親友が歩いていた歩道にトラックが突っ込んできた。
親友は俺を庇い、トラックの進行方向外に突き飛ばしてくれたお陰で
小さな擦り傷をおった程度で済んだが
親友は正面から追突を受け無残な身を地に晒す事になってしまった。
居眠り運転が原因だったらしい。
そいつは親友の両親に泣いて謝り、許しを請おうとしていたようだがどんなに謝っても
死んでしまったあいつはもう戻ってはこない。
母親が再婚したのは去年の五月の半ばだった。
親父からの慰謝料が払ってもらえないと言われ、必死になって探し出したという。
相手も子がいて、二人姉弟という。
二人とも良い人で妹もすぐに二人とに馴染んだ。
でも俺は上手く馴染めず、ただ一人だけギクシャクしていたのを感じていたと。
もうこの家には俺の居場所は無い。
もうこんな悲しい春を迎えるのは嫌だ。
俺が家を飛び出したのは今年の二月頃だった。
俺のいる街から南への行くと、大きな都市がある。
俺はそこで独りで生きていく決意をし、みんなにバレないように家を出た。
その都市へ行くには大きな山を一つ越えないといけない。
電車で十近くも駅をいったところにある。当然電車賃もかなり高い。
俺は日も昇りきらない朝早くに家を出る事にした。
山までは自転車でおよそ二時間以上かかる。
必要最低限の物をリュックサックに詰め、愛用の腕時計をはめ夜の住宅街を走り出した。
空気は凍てつくように寒く、吐く息は白い。
光は歩道と車道を照らす照明灯と時折通る車のヘッドライトだけ。
音は風が吹くときと自分の呼気と自転車を漕ぐ音そして車のエンジン音しか存在しない。
静寂と闇が支配するこの世界を俺は気に入っていた。
山が近付くにつれ、コンクリートと鉄骨と人工樹の世界が赤土と自然の樹木へと変わり
段々と人の住む世界とは別の世界へと変貌していく。
コメント:この作品は恋愛物ので使おうと思って書いてたものなんだけど
もう思い浮かぶ物が無くなってきてしまった・・・
なのでこの下はメモ帳として使わせてもらいます。
(ネタバレ含む)
山を登りきると、そこは見知らぬ町だった。
春の訪れを拒む少女、幸恵(さちえ:主人公より若干年下っぽい姿)
春が来るのを心待ちにしている女性、(主人公より幾分年上で大人な雰囲気を持っている)
春が訪れないこの町から離れたがってる少女、(主人公と同年代と思われる)
雪女。
年に一度、夜中に短い間しか咲かない純白の花びらを咲かせる桜。
ほぼ全ての桜の木は花を着けず、深緑を着ける。梅も同じ。
春の訪れないこの町へ迷い込んでしまった主人公。
抜け出すことの出来ない町。
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